人間の歯は通常28本。親知らずを含めると32本です。
歯の先進国であるスウェーデンやオランダでは、20年以上前から3ヶ月ごとの定期的な歯のメンテナンスを義務付けています。その結果、80歳で平均25本の自分の歯が残っているという成果を上げています。
対照的に、日本では痛みが出た時にのみ歯医者に行くスタイルが一般的です。そのため、80歳で残っている歯の本数は平均で約13本と少なくなっています。健康的な生活のためには、定期的な歯のケアを心掛け、自分の歯をできるだけ長く保つことが大切です。
歯や歯ぐきの病気は自分では気づかないうちに進行するため、定期的な歯科医院でのメンテナンス(P.M.T.C)を推奨いたします。
当医院では、1~3ヶ月ごとのメンテナンスを提案しており、治療が必要になる前にお口の健康を保ち、状態を改善できます。
お口のケアで最も重要なのは、虫歯や歯周病を予防するために定期検診を受けることです。
痛みや異常が出てから治療を受けるのではなく、初期段階で問題を発見し、簡単な処置で済ませることが、歯を長持ちさせる最良の方法です。
6ヶ月~1年ごとに定期検診とPMTCを受けることをお勧めします。虫歯リスクの高い幼児には、3ヶ月~6ヶ月ごとの定期検診とフッ素塗布が最適です。
虫歯や歯周病は、進行すると歯が抜けたり噛めなくなり、食生活や社会生活、全身の健康に影響を及ぼします。
これを防ぐためには、年齢やライフステージに応じた予防法を実践することが大切です。
唾液検査(シルハ)でお口の状態を調べます
唾液検査システム「シルハ」で、唾液を調べることにより以下のような口内のリスクがわかります。
当院では2回目のご来院時に、患者様全員にこの「シルハ唾液検査」を行います。
3回目ご来院時に、結果と今後の治療計画をご説明いたします。
- 唾液検査システム「シルハ」の費用
- 所要時間:約5分
- 2,200円(税込)
唾液検査(シルハ)によってわかること
検査結果は、各項目ごとに数値化され、チャート図として見ることができます。
① 口腔清潔度
◉アンモニア
細菌が多く繁殖していると、「アンモニア」も多く産生されます。
口の中の細菌の数が多いと、細菌により口臭の原因となるガスが多く作られます。
口臭以外にも、むし歯や歯周病などのリスクにもつながります。
② 歯の健康に関する項目
◉むし歯菌
むし歯の元になる「むし歯原因菌」の活性度を測ります。
今現在むし歯があるかどうかではなく、口内がむし歯になりやすい状態かどうかを表します。
◉酸性度
歯を溶かしてしまう「酸」の強さを測定しています。
数値が高いほど、むし歯になりやすいため、日々の食生活や、オーラルケアの見直しが大切です。
◉緩衝能(カンショウノウ)
酸性になった口の中を中性に戻す力である「緩衝能」の強さを表します。
数値が高いほど、酸に対する防御力も高くなります。
③ 歯ぐきの健康
◉白血球
「白血球」の多さを測ることで、菌の繁殖などによって生じた炎症の度合いがわかります。歯ぐきや口内に傷や炎症がある場合は、数値が高くなります。
◉タンパク質
出血などの口のトラブルや、細菌の繁殖によって、口の中の「タンパク質」が多くなります。数値が高いほど、歯ぐきから出血している可能性が高くなります。
唾液検査(シルハ)による検査例
検査結果のサンプルを例に、ご説明いたします。
検査結果に対する歯科医師のコメント
虫歯の原因菌であるミュータンス菌は少ないですが、唾液の酸性度・緩衝能が低いことから虫歯のリスクが高くなっています。
緩衝能とは、いったん酸性に傾いたお口の中を弱アルカリ性に戻す力のことです。
酸性度と緩衝能は固有の部分で変えるのが難しいため、ブラッシングの頻度・方法を工夫して虫歯予防に努めましょう。
歯周病の原因菌はそれほど多くないですが、白血球が多いことから歯ぐきの炎症が認められます。
ブラッシング方法の改善と歯石の除去を行いましょう。
アンモニアの検出量が少ないことから、口臭発生のリスクは少なくなっています。
口腔内は常に虫歯菌・歯周病細菌が活動しており、ほとんどの方がリスクの高い状態にあります。特に虫歯の原因となるミュータンス菌が多いと、虫歯が連鎖反応的にたくさん発生してしまいます。
「シルハ」による唾液検査の結果を踏まえて、今後虫歯や歯周病にならないための対策を治療計画に反映いたします。
年齢に合わせた予防法のポイント
妊娠中
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乳幼児~学童期
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思春期
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成人期~壮年期~高齢期
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